家に憧れの掘りごたつを導入したい!メリットやデメリットも含めてご紹介
旅館や料亭などに行くと、掘りごたつを使うことがあります。
何ともいえない趣があり、「自宅にも欲しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな憧れの「掘りごたつ」リフォームについてそのメリットやデメリット、また家に掘りごたつを導入する際の注意点などについて紹介します。
掘りごたつとは
まず、そもそも掘りごたつというものについて改めてご紹介していきましょう。
掘りごたつとは床や畳に穴を空けたところに熱が出るものを置き、その上にこたつをかぶせるというものです。
そのため、椅子に座っているときのように足が伸ばせるのが特徴で、非常にくつろげるような設備として有名です。
よく旅館や料亭、また居酒屋などでも用いられていますね。
皆さんも一度は座ったことがあるのではないでしょうか。
じつはこの掘りごたつを、最近家に設置されるかたがだんだんと増えているのです。
掘りごたつの歴史を遡ると、平安時代に起源を持つとされています。
当時は「火鉢」を床に埋め込んで暖を取る方法として使われており、江戸時代には現在の形に近い掘りごたつが普及しました。
現代では、電気式のヒーターを使用することが一般的で、安全性と利便性が大幅に向上しています。
掘りごたつのメリット
ではなぜ家に掘りごたつを設置する方が増えているのでしょうか?
それは、掘りごたつが数多くのメリットを持っているからです。
まず一つ目のメリットとしては、足腰に優しく温まりやすいというものがあります。
掘りごたつは通常のこたつやちゃぶだいと違い、椅子に座っているかのように足を延ばして座ることができるため、足腰にかかる負担が少なく、特にお年寄りの方などにとって非常に過ごしやすい空間を提供できます。
また、掘りごたつは足を延ばす部分が床の一部を切り取られて作られているため、保温性が高く、よく冷えてしまいがちな足を温めながら過ごすことができます。
女性や小さなお子様がいらっしゃるご家庭では大活躍することができますね。
また、一ヶ所に集うため会話がうまれやすいというメリットもあります。
こちらは冬のこたつを想像していただくとわかりやすいかと思います。
自然と家族が掘りごたつにあつまり、ゆっくりとした時間を過ごすため掘りごたつを設置することで家族の時間を増やすことができます。
最近では家族別々でご飯を食べる家庭も増えているかと思いますが、例えばご飯を食べ終わったあとの時間などでも、自然と掘りごたつならみんなでゆっくりテレビなどをついつい見てしまうこともあります。
また、どんなコンセプトのお家にも合う掘りごたつが近年開発されていることも重要なメリットです。
掘りごたつといえば和室をイメージしてしまいがちですが、洋室に設置される方も最近では増えています。
きちんと今の家にあったデザインを行い、違和感なく、おしゃれで過ごしやすい雰囲気を作り上げるように設計することが可能です。
さらに、掘りごたつには省エネ効果も期待できます。
足元だけを効率的に暖めることで、部屋全体を暖房する必要がなく、電気代の節約にもつながります。
特に冬場の光熱費削減効果は大きく、環境にも優しい暖房方法として注目されています。
掘りごたつのデメリット
では一方、掘りごたつを設置することによるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
それは掃除をする際に、構造上、掃除機がかけづらいことです。
ちょっと掃除機をかけようにも、机をどかすか、かがんだ状態で掃除機をかけることになります。
また、掘りごたつは、基本的に密閉された空間なので、カビが発生しやすくなります。
これらの対策としては、コードレスやハンディタイプの掃除機を使用したり、防カビ、消臭効果のある素材を使用したりして、掃除の負担軽減をするとよいでしょう。
その他のデメリットとして、小さなお子様がいるご家庭では転落の危険性があります。掘りごたつの縁に柵やクッション材を設置するなどの安全対策が必要です。
また、ペットを飼われている場合も、誤って落下する可能性があるため注意が必要です。
さらに、夏場は掘りごたつ部分に湿気がこもりやすく、定期的な換気や除湿対策が欠かせません。
掘りごたつの種類と選び方
掘りごたつには大きく分けて3つのタイプがあります。
造作タイプ
大工さんが現場で一から作り上げる完全オーダーメイドの掘りごたつです。
部屋の間取りや家族構成に合わせて自由に設計できるため、理想的な仕様を実現できます。
ただし、費用は最も高くなります。
ユニットタイプ
工場で製造された規格品の掘りごたつです。
設置工事が比較的簡単で、費用も抑えられます。
サイズや仕様に制限がありますが、品質が安定しており、工期も短縮できます。
移動式タイプ
床に固定せず、必要な時だけ設置できるタイプです。
賃貸住宅でも設置可能で、季節に応じて片付けることもできます。
ただし、本格的な掘りごたつと比べると機能面で劣る場合があります。
掘りごたつを設置するタイミング
掘りごたつを設置する最も良いタイミングは新築時です。
一般的に掘りごたつは床を掘ってつくるため、間取り設計の段階に計画するとスムーズに工事が進みます。
リフォーム時に掘りごたつを設置したい場合は、一度床を掘って改めて造作しなくてはいけないため手間も工期もかかります。
リフォーム時に掘りごたつを設置したい場合は、ユニットタイプの掘りごたつを採用すると設置費用を安く抑えることができます。
掘りごたつの設置にかかる費用
掘りごたつを設置する際にかかる費用相場は20万円〜60万円です。
掘りごたつの広さや材質などによっても変わります。
また、カウンターテーブルを兼ねたり折りたたみ式のテーブルユニットを作るような、通常の掘りごたつとは異なる特殊な設置方法を用いる場合は100万円以上することもあります。
近年はユニットタイプの掘りごたつが普及しており相場より安価で設置できるケースが増えています。
費用の内訳としては、床下の掘削工事費(5~15万円)、断熱・防水工事費(3~8万円)、電気工事費(2~5万円)、材料費・施工費(10~32万円)となります。
畳や無垢材などの高級素材を使用する場合は、さらに費用が上がることがあります。
また、床暖房機能付きの掘りごたつを選ぶ場合は、追加で10~20万円程度必要になります。
掘りごたつを設置する際の注意点
掘りごたつの設置は、床下の工事を伴うため、設置後に場所の変更を容易にすることはできません。
掘りごたつの設置場所は他のインテリアや生活動線を考慮して、念入りに検討する必要があります。
冬場はこたつ布団や座布団などを置いて利用することになるかと思いますが、その際掘りごたつの周囲の動線を遮らないかも含めて設置場所を決めましょう。
また、マンションの場合、配管や床下の状態などにより、部屋によっては掘りごたつを設置するだけの床下の深さが確保できないこともあります。
マンションの設計やリフォームについての規約なども影響するため、必ず事前に管理会社などに問い合わせて確認しておきましょう。
さらに重要な注意点として、構造上の制約があります。
床下に配管や電気配線が通っている場合は、それらを避けて設置する必要があります。
また、床暖房が設置されている場合は、その配線を切断しないよう慎重な工事が求められます。
地盤の状況によっては、補強工事が必要になることもあるため、事前の調査が欠かせません。
掘りごたつのメンテナンス方法
掘りごたつを長く快適に使用するためには、適切なメンテナンスが重要です。
日常のお手入れ
掘りごたつ内部は湿気がこもりやすいため、使用後は必ず布団を外して換気を行いましょう。
週に1回程度は掘りごたつ内部を掃除機で清掃し、ゴミやホコリを除去します。
季節のメンテナンス
夏場など使用しない時期は、除湿剤を設置してカビの発生を防ぎます。
年に1回は専門業者による点検を受け、電気系統や構造部分に異常がないかチェックしてもらうことをおすすめします。
掘りごたつに適した部屋の条件
掘りごたつの設置に適した部屋には、いくつかの条件があります。
まず、床下に十分な深さ(最低40cm以上)があることが必要です。
また、湿気対策のため、風通しの良い場所が理想的です。
さらに、家族が集まりやすいリビングやダイニングに隣接した和室が最適とされています。
天井の高さも重要な要素で、掘りごたつに座った際に圧迫感を感じない程度の高さ(2.4m以上推奨)が必要です。
照明の配置も考慮し、手元が明るくなるよう計画することが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、掘りごたつについてメリットやデメリットと合わせてご紹介してみました。
掘りごたつはまだまだリフォームの方法として一般化していません。
だからこそ、ほかの方とは一味違った新鮮さのある家を実現することができます。
掘りごたつは単なる暖房設備ではなく、家族のコミュニケーションを深める貴重な空間です。
適切な計画と施工により、何十年にもわたって愛され続ける特別な場所となるでしょう。
現代の住宅事情に合わせた様々なタイプが選択できるようになったことで、より多くのご家庭で掘りごたつのある暮らしを実現できるようになりました。
当社では掘りごたつをはじめとした、こだわりぬいたリフォームの実績が数多くあります。
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このようにこだわりぬいたお家を実現するお手伝いをしておりますので、リフォームを検討されている方はぜひ一度お気軽にご連絡ください。